ハチミツとクローバー/羽海野チカ

人生

こんにちは。長谷川自転車です。僕は本や映画など同じ作品を繰り返す見る性癖があります。羽海野チカ作、「ハチミツとクローバー」もその一つ。今となっては3月のライオンの方が有名かもしれませんが。 ※10年以上前に完結している作品なのでバンバン内容書きます。

ハチミツとクローバー

CUTIEコミック(コーラス)により2000年〜連載開始。全10巻。2005年にはノイタミナ枠にてテレビアニメ化。全2期。詳しくはWIKIPEDIAへGO。

美大を舞台にした恋愛マンガ…と思わせたヒューマンドラマ、であると僕は思っている。500日のサマーの冒頭でも”ボーイミーツガールであってラブストーリーではない”と字幕が入るけど、そんな感じ。(500日のサマーの方が後の作品だけど)

全員片思い

まず、僕がハチクロ(略)を好きな理由の一つとして、最終巻まで特に恋愛が成就するわけではないということ。舞台が美術大学であり、主人公的立ち位置の竹本君が教授である花本先生が連れてきた女の子、花本はぐみ(通称はぐ)に一目惚れをするところから物語がスタートする。(余談ですが、出版社の都合で第1巻が2つあって、僕の持っているCUTIE版は真山視点で始まっている)

恋愛ものって小説で映画でも、くっつくまでが面白いわけで、ハチクロは非常によく出来てる。というか僕に合ってる。

美大〜建築デザイン事務所

舞台は主に登場人物たちが通う美大なのですが、徐々に社会人としての物語にシフトしていきます。そこが僕が好きな理由二つ目。ていうかそこから物語が激しく動いていく感じがある。当時高校生くらいだった僕は、藤原デザインでの仕事環境にものすごく憧れた。(実際今僕が家具業界にいるのはこれが大きい)

名シーンの数々

ハチクロの名シーンは数知れないが、作中特に僕が大好きなシーンがある。

コミックス第4巻で山田さんが自分の育てていたプランターのシソが、台風で折れてしまったことに気づくが、母に折れたとこでちぎりなさいと言われるがそれをためらい、出来ないままでいる。その時、山田さんは折れてしまったシソと自分の真山への思いを重ね合わせてしまう。

自分の重さに耐えかねて土の上でのたうっていた

「数日たって ベランダに出ると 折れたシソが

母さんの言う通りだった これは折れた所でちぎるしかなかった

そこで ちゃんと区切りをつけて

新しく枝を伸ばすより他に無かったのだ 

それでも まだ私は 迷ってしまうのだどうしようもなく」

みんなバラバラの最後

Wikiで登場人物をちゃんと読んだ前提で書きますが、竹本君は自分探しの旅の後、修復士に、はぐちゃんは手の怪我のリハビリで大学に残り、山田さんは大学で助手、真山は原田デザインでスペインと行ったり来たり、森田さんはアメリカのCG制作会社へ…

あんなにいつも一緒に居たみんながそれぞれ別の道を歩んでいく。これも本当に切ない。ずーっと一緒にいられたら最高だけど、人生ってそうじゃない。同じ場所にとどまる人もいれば、違う場所にいく人もいる。

この時点で、みんなそれぞれの恋心を理解しあっているけど、最後まで誰かがくっつくことはなかったのであった。

読み返してしまう魔力

中学〜高校時代に読んで、28歳の現在まで、何度読み返したかわからない。

それどころか、歳を取るに連れてだんだんさらに深みが増しているような気がする。

女の子と知り合っていい感じなりそうな時とか、とりあえず読み返す青春のバイブル。

皆さんも暇があったら読んでみてはいかがでしょうか。

モッタくん
モッタくん

恋愛マンガなんて読んでいる場合ではないんだ。