お笑い番組で泣く(前編)

お笑い

前回、アマゾンプライムの面白い番組を紹介した。移動中はラジオを聴き、仕事中も、メシを食う時も、クソする時も、ずっとお笑い番組を観ているほどお笑いが好き。

そんな自分は、泣く時もお笑い番組を観ていて泣く。普通の映画や作品では滅多に泣かないが、泣かせるような空気じゃない場所で不意に感動ポイントが訪れるギャップや、バラエティの性質上ノンフィクションである事が多いので感情移入しやすい事が要因だと思う。

その中でも今回は熱いストーリーに泣く系を集めた。

いろんな都合上、直接ここに動画を貼る事は出来ないが、気になったら探してくれ。

M-1アナザーストーリー2018

2018年年末放送、一番最近観た番組。昨年末のM-1グランプリで優勝した霜降り明星、準優勝の和牛、ジャルジャル、二冠を狙ったかまいたちの4組をデビューから追ったドキュメンタリー

特に来たポイントは自分と同世代、初の平成生まれのチャンピオンとなった霜降り明星の特集。高校生の頃に漫才コンクール出場、ピンですでに実力を認められていた粗品に対し、大学進学後に吉本入りしたが全くの無名未経験だったので「粗品の足を引っ張っている」と言われていたせいや

2017年の準決勝で敗退して楽屋で廃人のように崩れ落ちるせいや、そこから翌2018年決勝進出を決めて二人で泣きながら抱き合う様子。19歳の頃、関西の老舗番組”オールザッツ漫才”でピンネタで優勝した粗品が「20歳越えたらスーツ着て漫才がやりたいです」と言っていた映像が流れる。演出が憎すぎる。

他にも、芸風が正反対の中川家礼二に認められるために奮闘するジャルジャル。決勝常連ならではプレッシャーと戦う和牛。負けたミキとのカッコ良すぎるやり取り。とにかく熱い。べしゃり暮らしより漫画すぎる熱いストーリーに、見終わった後は居ても立ってもいられず自分も何かをやり始めたくなるに違いない。

ゴッドタン

普段は泣くような番組ではない。こないだ見た回ではキングコング西野と劇団ひとりが肛門の嗅がせあいをしていた。 基本的にこの番組はその場のノリやムダに作り込まれたコント、憑依芸が多い。全ては劇団ひとりのせいである。

しかし決まってちょっと心に来てしまう企画がある。作り込まれたコントとして人気なストイック暗記王である。

元々は、様々な気をそらせる仕掛けの中で決められたお題を暗記する企画である(初期はお色気が中心だった)が、回を増すごとにそいつが心を打たれるような内容の寸劇で気をそらす事が中心になってくる。ロバート秋山の場合は、山本が秋山の実力に必死でついていくために、喪黒福造的な男に誘惑され面白くなる覚せい剤に溺れてしまうみたいなノリだ。

ストイック暗記王:東京03の飯塚編

その中でも東京03飯塚コントに熱い男キャラとして、後輩芸人が悪徳プロデューサーにパワハラを受けている内容の寸劇をされて我慢できなくなり『やめろお前!!』と乱入するくだりを毎回やっている。

2015年8月放送のこの回ではいつもと違い、東京03結成話の寸劇が行われる。豊本とのコンビに行き詰まり腐っていた頃。一緒に飲んでいた角ちゃんが、表現したい人間臭さをそのまま持っている事に気付き、意気投合して角ちゃんが加入。今のスタイルになる。

しかし当時のマネージャー(役:劇団ひとり)に「トリオは扱いづらい」「コントにはM-1みたいな大会も無いあってもお前らが優勝できるわけない」「コントライブなんてキャパ300を埋めるのがやっとで、テレビより金にならない」と責められ、過去の自分役がコントを無理矢理辞めさせられそうになってしまう。

『未来の自分に聞こえるように「コント辞める」と言ってみろ!』と責められる過去の自分を観ていて我慢できなくなり、過去に乱入し「辞めるな!!お前は12年後赤坂ACTシアター(キャパ1300人)でライブをやるんだよ!キングオブコントというコントの大会が出来る!お前はそれで優勝するんだ!!だから絶対に辞めるんじゃねえ!!」と言いながら過去の自分に抱き着く

5~6分の寸劇だったのにインターステラーみたいな内容だった。

怒り新党

今のかりそめ天国が怒り新党だったころ、新三大◯◯調査会というコーナーがあった。

新三大斬新過ぎるサメ映画(頭が2つあるサメ、砂を泳ぐサメとか出てくる)とか、新三大鳥人戦隊ジェットマンのトレンディ過ぎる展開など、マニアックな面白ポイントの紹介コーナーだ。その中でもスポーツ系は人気で、珍プレー紹介から感動するまでエピソードも幅広かった。

新三大 伊藤智仁の記録より記憶に残る投球

パワプロのように曲がるスライダーと150キロ台の直球で防御率0点台を叩き出すも、酷使によりわずか2ヶ月で怪我で登録抹消されてしまった伊藤智仁の話。

最初の怪我から計5年という気の遠くなるようなリハビリ期間を行った後、復帰を目指して2軍戦でマウンドに上る。

2軍戦ではありえないほどの観客が詰めかけ、伊藤へのピッチャー交代を告げられると大歓声が起こる。

その初球は109キロ。全盛期より40キロ以上落ちてしまった球速に、静まり返る球場。

それでも振り絞るかのように放つ「トモさん頑張れ!」「納得行くまでやらせてやれよ!」などファンの心からの声援に感涙。マジの熱さは素晴らしい。

新三大 スルヤ・ボナリーの異端なスケーティング

黒人の女子フィギュアスケーターの話。 女子初の4回転を決めるなど圧倒的なジャンプ力があるものの、芸術点という曖昧な部分で評価が下げられていた時代。人種という壁に立ち向かいながら、表現力を鍛え上げて完璧な演技を見せた94年の世界選手権。だがまたしても不当な芸術点の評価で2位止まりに。泣きながら表彰台へ上がる事を拒否する。事情を知らない客からブーイングが飛ぶ。

体力的にも衰えを見せた98年の長野五輪。一度目の演技のあまりに低い点数に『もう泣き疲れた』『最後は自分らしく』と宣言し、フリーで禁止されている後方宙返りを決め、皮肉にも大歓声が上がる。もちろん反則のため低い点数に、事情を知らない客からブーイングが飛ぶ。晴れやかな顔で去るボナリー。

VTR明けにスタジオに降りてくるとマツコ・デラックスも夏目アナも号泣して喋れない状態に。仕方がないので有吉が締めていた。

新三大 青森大学 男子新体操部の演技

マイナー競技である男子新体操。数mの高さから腹で落ちる危険な技など男子ならではのダイナミックな演技が2つ紹介された。

最後に紹介されたのは、創立メンバーだった先輩が亡くなり、追悼の意を込めて先輩が使っていた曲を使用した2009年の国体での演技。ダイナミックで派手な技やテクニック重視だった前2作に比べ、静かで美しいピアノに合わせた演技は素人目からしても感動するレベル。

続きは後編で。

モッタくん
モッタくん

他人の人生の話で泣いてる暇があったら、自分の人生をなんとかしないといけないんだ。