2人しかいないのだから。

人生

こんにちは。たけです。ようやく今日、ドイツでの就労ビザが取れました。

そうです。僕はドイツにいるのです。奥さんは2ヶ月ほど遅れてやって来るので、心置きなくぽんちかんたできます。

こちらに来る前も出張やらが多く、新婚にも関わらず夫婦生活というものに地に足つけて向き合えていませんでしたが、結婚式を終えての感想と、これから本格的に始まる夫婦生活について書いてみたいと思います。

総じて、結婚式は素晴らしい。

結婚式の準備はやることが多く、喧嘩の原因にもなったりと厄介な事も多いですが、結果としては僕は幸いな事に多くの友人や同僚・上司を招待して盛大な式を挙げる事ができ、それは紛れもなく人生最高の1日になりました。

その日はとにかく自分と奥さんのこれまでの人生に関わり、思い出を共有し、自分という人間をつくる要素となっている友人や家族への感謝の念と愛が湧き続けたし、それは今でも続いています。

最高の1日になったのは、大部分はゲストのお陰だと思います。でも、実際に式を終えてから周りの反響が想像以上に大きくて驚きました。式場による演出やら、自分たちで用意したアイテムやら動画やらを、結構見てくれているのです。なので、もしこれから結婚式を挙げる人が万が一いれば、それなりにはやっておいた方がいいです。準備にかける手間と式場に注ぎ込むマネーが、そのまま結婚式の思い出に彩りを与えるでしょう。

我慢と譲歩との共同生活

とまあ、そうしたきらきらしたものをもたらしてくれるという事は間違いないのですが、実際の結婚生活はというと、ストレスが溜まるものです。
夫婦に限らず、自分以外の誰かと一緒に暮らすという事は、相手の生活スタイルの影響を受けるし、逆も然りです。

誰かと暮らすにあたっての心得というか、突き詰めていくとこういう事で、こうあるべきだと僕が思うところがあります。

他人との共同生活は、少し視点を変えれば「我慢」と「譲歩」と同居することでもあります。
まずは、いくつか具体的な例を挙げて、誰かと共に暮らすと見えてくる小さな「我慢」や「譲歩」を想像してみていただきたい。

ケース1 : 電気の問題

僕の奥さんは、寝る準備が出来たらとにかく早く電気を消したい派です。
一方の僕は、寝る前にもう少し電気をつけたままダラダラするワンクッションが欲しいのです。

例えば奥さんが先にお風呂に入り、僕が後から入る場合、僕がお風呂から上がってベッドに入るやいなや、電気を消すのです。
もちろん、ベッドに入ること自体を急かされるので、入らずにダラダラタイムを引き延ばす事はできません。
風呂に先に入れば良いんじゃ?と思うかもしれませんが、女性は髪やら化粧水やらなんやらの後処理が長いので、全体の時間効率的に僕が後の方が良いのです。なのでこのケースでは僕が我慢をしている事になります。

これは本当に些細な事ですが、こういう時にもどちらかが「我慢」をしているのです。

ケース2 : 掃除の頻度の問題

奥さんは綺麗好きで、掃除機をよくかける。また??と思う頻度です。
やってくれるならいいじゃん、と思うかもしれませんが、それは奥さんのタイミングで始まります。そして僕は、仕事をしていようがベッドでリラックスしていようが、床に置いてある自分の荷物等を上げるとか、ちょっと片付けるとか、そういう動きを要求される事になります。
もちろん綺麗になるに越した事はないのですが、それすら面倒なのでやらないでほしい、と思う事もあります。
奥さん的には、たまにはお前がやれよと思い、苛立っている事もあるかもしれません。

ケース3 : シャワー温度の問題

皆さんは、シャワーを浴びる時の温度設定は何度にしているでしょうか?
おそらく、平均的には42℃とかそこらでしょう。うちの奥さんも同様です。僕はというと、60℃に設定してシャワーを浴びます
これは、48℃の次が60℃になる仕様というのもあるし、もちろん60℃のお湯などを浴びたら火傷するので、お湯と水のノブで調整をして、実際に浴びるお湯はそれよりもはるかに低い温度です。
でも、人並み外れた熱いシャワーが好きなのは事実。
仮に45℃でお湯を浴びたい時、45℃設定では水のノブを開けられない。つまり、水圧が弱くなる。なのでもっと熱く設定をして、2つのノブを可能な限り開けて水圧を確保する狙いもあります。

この60℃設定を、たまに元に戻し忘れるので奥さんに「ちゃんと42℃に戻しといて!!」

と怒られるわけです。そこで、恐らく、世の中の多くの人が肯定できないであろう僕側の主張をここで、あえてしてみます。

「いや、お前こそちゃんと60℃に戻しといてくれよ。」

そう。僕にとっては60℃設定が基準なのだから、奥さんが42℃でシャワーを浴びたら、俺が入る前にちゃんと60℃設定に「戻して」おいて欲しいのです。

僕もバカではないので、世間一般に42℃は普通で60℃は異常だという事くらい分かります。しかし、異常な僕が、普通の42℃設定にわざわざ戻すことは「我慢」であり「譲歩」に他ならないのです。
どうしてもそういう決着に至らない場合、(実際にはあり得ませんが) 間をとって46℃に設定するのがフェアでしょう。

2人しかいないのだから。

2人しかいないのだから、普通もクソもないということを言いたいのです。常に1対1で決着をつけるしかなく、世間一般の、一緒に暮らすわけでもない他人の票を取り込む多数決など全く意味がないのです。

それぞれの嗜好や癖や得手不得手も、清濁併せ呑んで寄り添って生きていくのが夫婦です。
細かい事でいちいち相手を責めるなら、相手も同じぐらい小さい事で我慢している事も絶対にあるのではないでしょうか。きっとそうだし、それを念頭に置いておくべきです。
お互いが一歩寄って「やってあげる」とか「そっとしといてあげる」とか「まあ仕方ないか」とか、とにかく譲り合って支え合っていくしかないでしょう。

奥さんに、わかっていただきたい…